こんばんは、億持ってない億男です。
いつかはみんなにやってくる”死”「そんな縁起でもない」とか「そんなことを考えるなんて後ろ向きだ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、今や終活は当たり前の世の中。
自分の死の後のことをちゃんと考えておくことは、決して後ろ向きではないし、むしろしておくべき事のひとつでもあります。
終活といえば、相続。自分が生きている間に作ってきた財産を子供やパートナーに引き継いで貰うことです。
その相続ですが、この世を去って譲り渡す人と貰う人の間で「思っていること」が違うケースは
少なくありません。「あの人に相続させてあげたい」と思ったり「私は貰えるに決まっている」と信じて当てにしていたり、そんな相続のお話をしていきたいと思います。
全財産を特定の人に相続させることはできるの?
すべての財産を特定の人にのみ相続させることが可能なのか・・・。例えば亡くなった夫の遺書があったとしましょう。そして遺書に「長男にすべての財産を相続させる」と記載してあったとします。
妻は「なんてこと!」とびっくり仰天。長男にすべてを相続させるとなると夫名義の家や車、そして、預金はすべて長男のものになってしまう?
「親子なんだしいいじゃない」という訳にはいかないのも相続のお話。親子だろうと兄弟だろうと、そんなことは関係ありません。
この場合、結論から言うのであれば、すべてを長男が相続することにはなりません。というのも故人の配偶者である妻には遺留分が認められるからです。
遺留分というのは、法定相続人に認められているもので遺言があったとしても侵害されない相続権です。
遺留分に関しては法律で明確にルールが定められており
・直系尊属のみが相続人の場合は被相続人の財産の⅓
・それ以外の場合は全体で被相続人の財産の½
とされています。
この遺留分になった財産に関しては、妻が相続できることになりますが、それ以外の財産は無条件で長男が相続することになります。
この事例では遺言は法定相続人である長男にすべてを相続させるとなっていますが、これは赤の他人を指名して相続させることも可能です。縁もゆかりもない人にでも、愛人にでも、となりのおばあちゃんにでも自分の財産を譲ることが可能です。
遺留分ってなに?
遺留分とは、遺言があっても守られる相続人の権利。これは法律で定められたルールです。遺留分が認められるのは、被相続人の兄弟姉妹以外の相続人にのみで、被相続人の兄弟姉妹には遺留分は認められていません。そして、相続廃除や相続欠格の場合には遺留分もなくなってしまいます。
そして、もちろん遺留分を行使することもできますし、遺留分を放棄することも可能です。
誰が法定相続人なのかによって遺留分の金額が変化しますので、どのくらい相続できるかのケースバイケースです。
自分が法定相続人であれば、例え故人の遺言で、自分に対する相続が1円もないことになっていても遺留分だけは相続が可能になります。遺書を開けてびっくり自分には1円もなかったなんてことにはならずに済むのです。
法定相続人でなくても相続はできる
相続と言われると、自分の親や兄弟などを思い浮かべますよね。普通に生活していれば、赤の他人から財産を相続することなどありません。
大富豪から多額の遺産を受け取る・・・なんていうのはドラマや映画の中だけの話ですが、実際に今の日本のルールでは他人に財産を相続させることは可能です。
先ほど説明した遺留分に関しては例え自分の財産だったとしても、本人が放棄しない限り法定相続人が相続しますが、遺留分対象財産ではない財産に関しては「となりのおばちゃん」とか「いとこ」「はとこ」「友達」に相続してもらうことも可能です。
遺留分以外の財産に関しては、原則として故人の遺志が優先される事になっていますから、遺言で全く縁もゆかりもない赤の他人に財産を相続してもらうこともできるのです。
なかなかそんな事はないかもしれませんが、自分の財産を自分が指定する人に譲り渡すこと可能なのです。
このように、法定相続人ではない人に相続してもらうことを遺贈といい、制度として認められています。侵害できないのは、遺留分のみでそれ以外の法律より遺言が優先されます。
まとめ
今回は、相続に関するお話でしたがいかがでしたか?
法定相続人には遺留分という権利があり、遺留分に関しては故人の遺言があっても侵害されることなく相続ができます。その一方で、遺留分以外に関しては、法律より遺言が優先されるため、赤の他人に自分の財産を相続してもらう遺贈も可能。全く知らない人にでも、友達や近所の住人にでも財産を譲り渡すことはできます。
終活をするのが当たり前の世の中ですから、自分の財産がいくらで法定相続人は誰なのか。そして、それぞれの遺留分はどのくらいで誰にでも渡せる財産はどのくらいあるのかをしっかりと把握しておくことも大切です。
詳しい数字を知りたいと言うときは、弁護士に相談してみましょう。