こんにちは、億持ってない億男です。
最近、ニュースで「歴史的な円安」だという言葉をよく耳にします。
2022年9月7日の円相場は1ドル=144円台となり、これは1998年以来24年ぶりの円安となりました。
円安になると「輸入物」は高くなるけど、その一方で「輸出企業」には有利とか「インバウンド需要を見込める」という話もよく耳にしますが、そもそも円安は私たちに有利なのでしょうか。
今回は、いつもより少し大きなお金、つまり経済のお話をしてみたいと思います。
円安になると輸入製品は値上がり
もう、ご存じという方も多いと思いますが、円安になると輸入物は高くなります。例えば、リーマンショックの時代・・・1ドル77円という驚異的な円高水準がありました。もちろん、これは良い記憶ではありませんが、今が140円台だとすればかなり円の価値が違っていたことがわかります。
1ドル77円の場合、1ドルのものを購入するのに必要なお金は「77円」ですが、今は140台ですから1ドルのものを購入するのに140円のお金が必要ということになります。
つまり、円が高くなるとそれだけ少ない円で外国のものを買えるというわけです。
だから、円安になると輸入製品は国内で値上がりするということですね。
ガソリンや輸入小麦などの価格が高騰すると、私たちの生活にも影響が出てきますし、海外のインポートブランドの洋服やバックなども円安になると値上がりすることになってしまいます。
円安は輸出企業にとってはプラス?
円安は輸入をすることを考えればマイナスですが、輸出・・・つまり外国にモノを売る場合はたくさん円を貰えるので「有利」という考え方があります。確かに、これは間違いではありません。
円高が進みすぎると日本の自動車産業などは大ダメージを受けることになってしまいます。
ということは「今は、輸出企業にとっては大チャンスなのでは?」と思いますよね。
確かに、円安は輸出企業にとってはプラスであるという側面は今でもあるでしょう。
ですが、大企業が外国に工場を持っていたり、拠点を持っているという状況ですので、国内で生産したものを外国に売っているという構図ではなくなっているのも事実です。
輸出をしている企業であっても、工場などの生産拠点が海外にある場合は円安の恩恵は限定的なものとなります。
日本が外国に輸出するものの代表が自動車ですが、そもそもの精算コストがあがっていることなどもあって「円安だからめちゃくちゃ黒字でラッキー」という状態ではないようです。
円安はどこまで進む?日銀の対策は?
28年ぶりの円安水準と世界的なエネルギー問題などが重なって、今、モノの価格がドンドン上がっています。食用油やガソリン、砂糖など様々なものが値上がりしているのを肌で感じているという方も多いでしょう。
インフレは日本だけではなくヨーロッパもアメリカも同様・・・ですが、このまま円安を放置しておくとますますモノの価格が高騰してしまいます。
歴史的な円安の背景にあるのは、世界の混乱。新型コロナウイルスパンデミックやロシアのウクライナ侵攻などが原因ですが、インフレ対策としてアメリカやヨーロッパが利上げしていることで円安に振れているのです。
それも今までにないレベルの利上げをしているため、円を売ってドルを買うという動きがとまらないのです。
日銀は「利上げはしない」という勧誘緩和の姿勢をくずしていませんので、どんどん円が安くなっているのです。
円安に歯止めをかけるためには「日本も利上げする」「為替介入」「減税」といった方法がありますが、岸田政権は円安に関しては「注視」の一点張りで9月16日時点では特に何もしていないのが現状です。住民税非課税世帯にのみ5万円給付があるようですが、ただのばらまきだという声も根強くあるのが現状。
「早く円安をなんとかしてくれ」という輸入企業も少なくないでしょう。
「そろそろ為替介入するのでは?」という味方がありますし、いくらなんでもこのまま注視していたらますます経済にダメージとなってしまいますので、日本もどこかのタイミングで円安対策を講じるはずです。
まとめ
今回は、今、問題になっている円安についてお話ししてきましたがいかがでしたか?ちょっと難しいお話に感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、円安は私たちの生活にもすでに影響している実は身近な問題です。
円安は輸出企業にとっては有利と言われてはいますが、生産拠点が海外にあるケースも多く円安の恩恵は限定的という見方ができます。
歴史的な円安になっている中で、日本政府がどういった対策を講じるかはまだ不透明ではありますが、このまま円安を放置するということはおそらくないでしょう。
為替相場は高すぎても安すぎてもよくない、ちょうど良い加減でないと経済にとってはマイナスになってしまうのです。