こんにちは、億をもってない億男です。
保険には、保険料を積み立てる「貯蓄性の保険」と保険料が戻ってこない「掛け捨ての保険」がありますよね。そして、「何もなかった場合に支払った保険料を損した気持ちになる」と考えて掛け捨ての保険を避けている人が多いようです。
しかし、本当に掛け捨ての保険料は損なのでしょうか?結論からいうと損ではありません。
今回は、なぜ掛け捨ての保険料が損ではないのかを中心に解説していきます。
1.掛け捨ての保険とは?
掛け捨ての保険は、満期を迎えても満期保険金を受け取れず、途中で解約した場合は、それまで支払った保険料よりも、大幅に減額されて戻ってくるか全く戻ってこない場合もあります。
保険料が戻ってこないことに加えて、掛け“捨て”という名前から、保険料の支払いが無駄になってしまうと思われる方もいらっしゃるでしょう。
このため、満期を迎えたときや解約をした時に保険料が戻ってくる貯蓄型が人気です。さらに貯蓄型の保険は、支払った保険料よりも多くのお金が戻ってくるケースもあるため、貯蓄の手段として活用されている方も多くいらっしゃいます。
これだけ聞くと、貯蓄型保険の方が優れているように感じますよね。しかし、保障を準備するという本来の目的からすると、掛け捨ての保険の方が有利な場合があるのです。
まずは次章で、掛け捨て保険が損でない理由を解説していきます。
2.掛け捨て保険が損でない理由①保険料は必要経費
そもそも保険とは、保険料を支払って、必要な保障を得るという商品で、資金を準備する手段の1つです。つまり、保険に加入することで「不足の事態にお金を受け取る権利」を買っているのです。
例えば、保険に加入している人は、以下のような理由で加入します。
「自分が入院した場合に、医療費の自己負担が支払えるようにお金を準備する」
「自分に万一のことがあった場合に残された家族が生活していけるお金を用意する」
このように、貯金が十分に貯まっていない場合や、そもそも貯金では備えることが難しい場合は、保険に加入することで、不測の事態でも資金を確保できるのです。
保険料を支払っている間は、「お金を受け取れる権利」を持っているため、安心に繋がります。保険金を受け取らなかったとしても、商品の恩恵をきちんと受けているといっても過言ではありません。
あなたは、購入した商品の恩恵を受けたにも関わらず、商品を使い終わったら代金を返して欲しいといいますか?
保険の期間が終わったから保険料を返して欲しいということは、例えば、掃除機を購入して数年使ったけれども、使い終わったから購入代金を返して欲しいといっているようなものなのです。
保険料は、保障を得るための必要経費であって、決して無駄ではありません。
3.掛け捨て保険が損でない理由②貯蓄型保険の利率が低い
視点を貯蓄型の保険に移して考えてみましょう。現在の貯蓄型保険の利率は低いため、保険料が値上がりしている状態です。そのため、貯蓄型保険に加入しても、貯蓄効果があまり期待できず、必要な保障を得るためには、高額な保険料を支払わなければなりません。
バブルの時代は利率が高かったため、貯蓄性の保険に1つ加入するだけで、保障を備えつつ貯金もしっかりできました。しかし、現在では低利率のため、必要な保障が得られないだけでなく、お金もあまり貯まらない保険となっています。(あくまでバブル期の保険と比べた時の話です)
そのため、保障は掛け捨ての保険、貯蓄は積み立て預金や投資をした方が、必要な保障を準備しつつ、お金も貯められる可能性が高いです。必要な保障を確保するための手段として、掛け捨ての保険が有効な時代ですので、保険料は無駄ではないといえます。
4.掛け捨て保険のメリット
掛け捨て保険のメリットは、少ない掛け金で大きな保障が得られる点です。例えば、掛け捨ての保険と貯蓄型の保険で、死亡したときの保険金額を2,000万円にした場合の保険料を比べてみます。
試算条件は、以下の通りです。
● 契約者・被保険者:30歳、男性
● 保険料を払い込む期間:60歳まで
● 保険金額:2,000万円
保険料の試算は、保険会社による違いが出ないように、掛け捨て保険と終身保険の両方を取り扱っているオリックス生命の保険で試算をします。
◯掛け捨て保険「ブリッジ(オリックス生命)」
ブリッジは、ネット上で加入できる掛け捨て型の保険です。試算の結果は以下の通りとなりました。
● 月払保険料:3,559円
● 保険料払込合計:1,281,240円(3,559円×12ヶ月×30年)
毎月の支払いは、60歳まで変わることはありません。60歳を超えると、保障がなくなります。
次に終身保険の試算結果を見ていきましょう。
◯終身保険「終身保険ライズ(オリックス生命)」
ライズは、低解約返戻金型終身保険といわれ、保険料の払込期間中の解約返戻金を低く抑えることで、保険料の負担も低いのが特徴です。
● 月払保険料:43,280円
● 保険料払込合計:15,580,800円(43,280円×12ヶ月×30年)
ライズは、保険料の払込が終わってから解約すると、17,207,400 円の解約返戻金が受け取れます。支払った保険料の総額と解約返戻金の割合を表す「返戻率」は、110.4%。保険期間が終わった後も保障が続くだけでなく、多くの解約返戻金を受け取れます。
ただし、毎月の保険料をブリッジと比較すると、約12倍の保険料という結果になりました。お子様がいらっしゃる家庭の場合などで、高額な死亡保障が必要な場合は、掛け捨ての保険で保障を用意する方が現実的といえますね。
5.まとめ
掛け捨ての保険は、「捨て」という名前からあまり良い印象を抱いていない方もいらっしゃいます。しかり、支払う保険料は決して無駄ではなく、必要な経費です。
保障が過剰にならないように、ご家庭にあった保険に加入することが前提ですが、掛け捨ての保険を有効活用することで、毎月の負担を抑えつつ必要な保障を得ることができます。
掛け捨ての保険に抵抗がある方は、この記事を読み返していただき、ぜひ加入を検討してみてください。